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バンクシー作品「Choose Your Weapon」の意味と解説! キース・ヘリングのオマージュ。

作品を見たら分かる人も多いと思うが、バンクシー「Choose Your Weapon」はキース・ヘリングへのオマージュ作品だ。

ちなみに「キース・ヘリング」は80年代の米国を代表するグラフィティアーティストとして知られ、31歳の若さで亡くなったとこでも有名。

「Choose Your Weapon」では、キース・ヘリング作品を象徴するモチーフ「Barking Dog=吠える犬」が使われている。

最初に登場した「Choose Your Weapon」は壁画だった。

作品が最初に登場したのは2010年。場所は「The Grange」というロンドンのパブの壁だ。

作品に描かれたのはフードを被り、顔をバンダナで隠したイカつい男。そして、イギリスの典型的なギャングのような風貌の男は、吠える犬を連れている。さらに、その吠える犬はチェーンのリードで繋がれている。吠える犬はもちろんキース・ヘリングの吠える犬だ。

ちなみに、2010年はバンクシーが初めて監督した映画作品「Exit Through the Gift Shop」が公開された年でもある。

エディション作品の「Choose Your Weapon」

エディション作品の「Choose Your Weapon」は2010年12月13日に発売。

まず作品の詳細について....

サイズは縦70cm x 横70cm。そして、サインなし(Unsigned)はなく、サイン入り(Signed)の作品だけだった。最終的に20種類の作品が発売。ほとんどのバージョンが限定25枚と発売枚数がかなり少なかった。

ここからは、20種類すべての画像を紹介したい。

まずは、限定25枚のBright Pink. Bright Purple。 Dark Orange. Khaki. そして、同じく限定25枚のLight Orange. Slate. Soft Yellow. Turquoise. Lemon. Oliver. Magenta. そして、Red. Sky Blue. Greenを紹介しよう。

Bright Pink

Bright Purple

Dark Blue

Bright Orange

Green

Lemon

Khaki

Light Orange

Red

Magenta

Olive

Slate

Sky Blue

Soft Yellow

Turquoise

次にVIP用に販売された限定25枚のGOLD. Silver. Whiteの3種類。

GOLD

Silver

White

次に限定100枚のGrey。ちなみに、こちらがメインエディションだ。

Grey

最後に、乱闘勃発後に発売の限定58枚 Grey(Queue Jumper Edition).

Grey Queue Jump Edition

あまりの人気に乱闘にまで発展。 作品発売中止のきっかけに?

作品の発売は「Pictures on Walls」ことPOWのギャラリー会場で行われた。そして、作品発売の情報を知ったコレクター達が発売前夜から発売会場に殺到し、乱闘騒ぎにまで発展。まさにバンクシー人気が最高潮に過熱していたことを伝える象徴的な作品だ。

作品の発売はイースト・ロンドンのPOW... ソーホーのMarks & Stencils... そして、オンラインの3カ所で行われ、最終的には20種類のバージョンが発売された。また、ほとんどのバージョンが限定25枚と少なかったこともあり、人気も価格も共に高くなっている。

2002年から2010年の間、バンクシーは毎年定期的にエディション作品を発売していた。しかし、この作品を最後に、バンクシーはPOWからの定期的な作品発売をストップ。その後、2017年末のPOWの閉幕まで、大規模な作品の発売はなかった。

Choose Your Weaponの意味とは...

2010年、この作品の発売当時、英国では若者の暴力や犯罪が大きな問題になっていた。

フードを被った男はイギリスの典型的なギャングの姿そのもので暴力的に見える。そして「Love is in the Air」の暴徒と同じで顔をバンダナで隠している。さらに、男はキース・ヘリングを象徴する「吠える犬」を連れている。

作品のタイトル「Choose Your Weapon」を日本語にすると「武器を選べ」という意味になる。

「言葉は暴力に勝る」ということわざもあるが、バンクシーはこの作品で「暴力を使わなくとも、アートという別の言語でも自分の意見を伝えることはできる」というメッセージを伝えたかったのかもしれない。

そもそも販売枚数が少ないこと。そして、バンクシー本人のような口元をバンダナで隠す暴徒(ギャング)が描かれた「Choose Your Weapon」は火炎瓶の代わりに花束を投げる「Love is in the Air」と同じく、トップクラスの人気で作品の価値も高い。

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