2022年11月11日、バンクシーはウクライナ戦争で爆撃を受けた壁に新作を残しました。これは2022年に入って初の作品でした。
「えっなんのこと?そんな新作はまだ知らない」という方は次のリンクから記事をご覧下さい。
バンクシー ウクライナで爆撃されたビルの壁に2022年初の新作をボム!
この記事の最後に「バンクシーの別の作品が出てくるかもしれない」と書きましたが、いつまた別の作品が登場するのか考えていた所、日本時間11月18日に予想通りインスタグラムで新しい動画を公開。
こちらが実際にバンクシーが投稿した1分26秒のインスタ動画です。
「インスタグラムが見れない」と言う方は、このリンクからYoutubeでの視聴がオススメ。
今回投稿のコメント欄には何も書かれていません。
動画に登場する7つの作品
動画が撮影されたのは2022年11月。この動画ではバンクシーが残した7つの作品とその制作風景が映し出されています。
バンクシーが作品を残したのは、具体的にはホレンカ、ボロジャンカ、イルピンなど首都キエフ(キーウ)近郊の街でウクライナ戦争による爆撃の被害が多かった街です。
ここからは、動画に登場する7つの作品を紹介します。
入浴するおじいちゃん

まず初めは、ウクライナ近郊の街「ホレンカ」に残された壁画。ここでは、爆撃で破壊された建物の壁に、入浴をするおじいちゃんの壁画が残されている。
ガスマスクを付け、消化器を持つ女性

次は、ガスマスクを付け消化器を持った女性。さらに詳しく見ると、女性はガウンを着て、椅子の上に立っている。爆撃の後で消化しに外に出てきたんででしょうか?
首にコルセットを巻いた新体操選手

そして、3つ目の作品は首にコルセットをした新体操選手です。女性はレオタードを着てリボンを振っています。
さらに重要なのは、この新体操選手が爆撃を受けた穴の上に立っていることです。爆撃を受けた後でも、彼らの苦しい生活が続くことを表現しているのでしょうか?
瓦礫の上で逆立ちをする体操選手

4つ目の作品はレオタードを着た女子体操選手。この体操選手は爆撃で破壊された瓦礫の上で逆立ちしており、バランスを取っているようにも見えます。
もちろん、作品の意味には色んな解釈がありますが、戦争で破壊された街でもうまくバランスを取りながら、華麗に生きてほしい。こんな環境からでも自分の得意なことをどんどん発展させていってほしい。
つまり、この作品にはそんな希望が込められているのかもしれません。
シーソーで遊ぶ少年達

5つ目の作品はシーソーで遊ぶ子供達。ここでは戦車の侵入をブロックするための金属をシーソーに見立て遊ぶ子供達を描いています。本来、戦争がなければ、こうやって楽しむことできる少年のことを描いているのかもしれません。
おち○ち○の落書きを大砲に見立てた戦車

6つ目の作品は、男性器の落書きを大砲に見立てた戦車を描いています。ここでは、元々あった落書きにバンクシーがステンシルで戦車を書き加え、作品を完成させています。
柔道でプーチン(?)を投げ飛ばす少年

そして、最後の作品がこちら。
この7つ目の作品の小さな少年はウクライナ... そして、投げ飛ばされている大人はプーチン大統領でしょうか。おそらく、作品のテーマはウクライナ戦争についてでしょう。
動画内でこの作品が登場する際に、ウクライナ人の親子が登場します。
ここでは、お母さんがこの場所が幼稚園であったこと。多くの人が亡くなったこと。そして、子供がこの幼稚園に通っていたこと。涙が枯れるまで、泣いたことを語っています。
バンクシーが動画で伝えたかったこととは
次に動画ではバンクシーのメッセージらしきものが流れます。
英語で「In solidarity with the people of Ukraine」と出ています。日本語にすると「ウクライナの人と団結して」でしょうか。
バンクシーは 何が理由にしろ戦争の犠牲になる一般市民の状況を作品を通じて、もっと世界に伝えたいんでしょう。
動画の1番最後に、ウクライナ人らしき2人の男性が現れます。ここで、6つ目のおちんちんを大砲に見立てた作品について、男性がこう話しています。
Do you mean this one? For this, I would kick out all his teeth and break his legs.
日本語に訳すと、
「この作品について言っているのか?もしそうなら、彼の歯を全部蹴って折って、足の骨を折ってやりたい」と話しています。
もちろん、誰にそうしたいと言っているかはわかりません。しかし、この男性の言葉からは怒りが読み取れます。
怒り、悲しみ、そして、明日への希望。バンクシーは今回の作品を通して、どんなことを伝えたかったのでしょう?